協会概要
会長就任5月の予定につき下田試験委員長より御挨拶
―これまでの試験委員会:教育事業運営に関する所感―
今年は協会運営に関与し始め22年になります。前々職は銀行に22年勤務していたので、これを超えました。銀行員最後の4年間は1998年から審査部で財務分析と格付システムを担当し、ここで金融検査マニュアル、つまり統合的内部管理システムと出会ったわけです。当時はCOSO・内部統制フレームワークの知識もなかったが、2006年からの文科省受託調査研究事業で再会しました。
内部統制は、国際標準ながら欧米流の経営枠組みの導入であり、簡単ではないなと思ったものです。2021年に学校法人と経営指導員を辞め、資格認定団体である弊会の代表執行者として、IPO・内部統制実務を専門的に研究しながら、現在の資格認定制度を運営し始めました。
現在まで資格事業が継続できた要因としては、①監査法人・証券会社・多くの専門家の御支援、②企業等の本資格への認知向上、③金商法:J-SOXに特化した内部統制資格の競争が少なかったことでしょうか。上場準備・内部統制の教育市場と資格取得の希望は、上場会社と上場を目指す企業数に限られます。もちろん22年の間は、これまでも幾つかのリスクに遭遇しましたが、前述のとおり協力先との出会いや御支援をいたただき、また私達の改善・工夫・努力をもって展開できました。総論として、財政再建を早期に実現し、事業においては協力先からの幸運に恵まれたと思います。なお弊会の資格試験問題が、財務報告の信頼性(リスク管理)と時事的実務動向に拘った出題をしている理由として、私達が、財務報告の計量化や金融検査・学校検査・上場審査への対応等で苦労した経験も背景としてあると思います。
さて、統合的内部管理・内部統制・不正防止の対策は、もちろん決算財務報告やフレームワークだけの問題ではありません。私は、天風会・ガバナンス研究学会・各種経営学会(各略称)などに所属し、経営者や管理者が堅持すべき心の問題<不正に関与してしまう要因と対策>、事業の組織的な問題<失敗の本質の戦略・組織論の研究>、さらにそれらの学術的背景なども指導を受けながら調査研究を続けてきました。今後も引き続き継続し、組織・経営のあり方と向き合っていきたいと考えます。
後任の会長の就任に関し内定者の御報告
会長は、従前どおり、鈴木知足常任理事が会長代行を続投し、次期2025年総会以降、適任者の立候補をもって選任します。下田氏の後任としては、代表理事:専務理事に杉本常任理事が就任しています。