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ガラス建築

協会の資格認定事業の理念

経営調査士、経営アナリスト、IPO・内部統制実務士の意義 ―

 協会創立期は企業経営における「経営調査」の重要性に着眼し、経営専門家養成と資格認定・経営教育事業機関として出発しました。転機は、日本のバブル崩壊後の低迷期を経て多様な専門人材の必要性(最大の要因はリスクの多様化と経営の高度化要求)が出てきたことで、経営調査という職能以外の職能資格も研究対象にし、階層別の経営調査士を一本化し、「経営評価」=<経営アナリスト>の資格を創設しました。その後、「内部統制・監査(経営の自律:リスク管理と改善機能)」が求められる時代となり、上場準備「経営品質の向上」と一体の業務であることから<IPO・内部統制実務士>の資格を創設しました。本稿では協会の資格開発の経緯を以下の観点から御説明します。


<1>調査・評価・監査→3つの鼎
<2>PDCAを回すことが経営
<3>高い専門性→希少な資格市場
<4>付加価値のある資格、付加価値を高める経営

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1.格付け、内部統制は、グローバルスタンダード!!
企業の評価は、業績の内容と経営システムの優劣等に起因し、双方の向上が企業価値の向上につながると考えます。そのため、企業経営の自律的要素でもある経営システムの優劣の観点から、IPO(Initial Public Offering)の審査等で求められる経営管理面の整備と運用や、その結果として実現すべき真の経営の効率性・有効性は、上場準備の実務に係る人材や、内部統制システムの構築と運用等の実務に係わる人材の養成に左右されることになります。当協会は、グローバル社会に向けた時代の要請を踏まえ、平成 21 年度に「IPO・内部統制」に関わる資格制度を構築しました。本資格制度を創設した意義は、経営品質の向上(株式上場の審査基準を充たす経営管理面の整備と運用)、リスクへの対応、法令(国際標準動向)等から
求められた内部統制システムの構築及び、評価・運用に必須な人材養成に応えることです。


2.上級IPO・内部統制実務士資格の創設について
前項の後2年間協議し、業務の高度化・多様化を検討し、「IPO」と「内部統制」の職務を区分した上で『上級資格』を創設し、IPOと内部統制の各職務を相対させた「高度で網羅的な専門職業資格」を平成 24 年度に創設しました。上級IPO・内部統制実務士資格の意義は、標準資格の意義(企業価値、経営品質の向上に資する人材教育の有意性)に加え、IPOと内部統制を区分したことから、それぞれ以下の職務を能力の認定にあります。

 

①IPOの高度専門職務<上場準備責任者、IPO専門家、金融機関のIPO専門家、経営者・CFO・経営企画室長などの職務者>に相応する職務能力を修得した方の能力の認定
 

②内部統制の高度専門職務<内部統制/J-SOX 推進(構築/運営/評価)責任者、内部監査室長、各主管部署責任者、経営者・CFO・経営企画室長などの職務者>に相応する職務能力を修得した方の能力の認定


 経営者の暴走や内部管理体制の不備から、経営陣の責任が問われ、財務報告の修正が行われる事件がたびたび報道されています。今後は、上場の維持や監査のあり方がさらに問われるでしょう。そのためにも、経営者を含めて再度基本に戻って、IPOと内部統制の実務を修得し、専門資格者を養成する意義が高まっていると承知しています。

3.上級IPO・内部統制実務士資格開発計画(今後の展開)
 

(1)標準資格「IPO・内部統制実務士」創設
特集:4.調査研究事業を参照 (注)調査研究事業の受託がすべての基礎事業である。


(2)上級資格「上級IPO・内部統制実務士」資格開発
 ①平成 22 年度:IPO、内部統制・・・調査研究事業「経理・情報・経営教育」
 ②平成 23 年度上期:教育&テキスト企画<第1ステージ:テキスト章建て企画案決定>
 ③平成 23 年度下期:教育&テキスト開発<第2ステージ:テキスト執筆>
 ④平成 24 年度上期:資格創設、(社)全日本能率連盟 資格審査会 申請登録
 ⑤平成 24 年度下期:上級資格試験 実施目標<第3ステージ>


上級IPO実務士、上級内部統制実務士の資格認定は、平成 25 年 3 月に初回試行実施、平成 25 年 9 月に本格実施します。これに関し、資格試験の開催に対応する「試験対策講座」の開講を平成 25 年 2 月に試行的に開講します。


 

4.協会諸事業の紹介
今後は、協会の認定資格を『経営の三つの鼎』と考えて、経営教育内容を「4~5年かけて」再構築・リニューアル化する考えです。

 

<執行部の方針>

⇒「調査、経理」から出発して「経営」を向上させる

⇒「高い専門性→希少(ニッチ)な資格市場」 (経営経理⇒進化系)
⇒「付加価値のある資格、付加価値を高める経営」 (実践実務)

 

(1)「経営調査士」資格称号
経営調査・分析・改善指導の業務を職能とする経営コンサルタント資格で、昭和 32 年の当会発足時に育成目的とした資格称号である。なお行政の中小企業診断士制度と親和性が高く、教育の内容も幅広く経理(税理士)と労務
(注)の入門資格として機能した時期もあった。

(注:社会保険労務士制度の創設には、多くの経営調査士が貢献した)
 

⇒全経:経理実務士、診断士の教育内容を再検討して再構築して発展させたい。
 

(2)「経営アナリスト」資格称号
経営コンサルタント職能の多様化から、研究調査・研修指導・教育訓練(講師・インストラクター)・研究業務を職能とする資格称号として、歴史的
(注)には二級経営調査士資格から発展して平成 14 年に創設された。

(注)経営調査士の商標権問題の影響もあった。
 

 ⇒企業評価・信用格付(資産査定)・財務分析・リスク管理の職能として発展させたい。
 

(3)「IPO・内部統制実務士」資格称号
本資格については、先に「1.格付け、内部統制は、グローバルスタンダード!」、「2.上級IPO・内部統制実務士資格の創設について」で紹介済です。

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